Under the roof

三児の父が育児、家事、読書のこととか書きます

【書評】ノンフィクションの法医学ミステリー『死体は嘘をつかない』

 

死体は嘘をつかない (全米トップ検死医が語る死と真実)

死体は嘘をつかない (全米トップ検死医が語る死と真実)

  • 作者: ヴィンセント・ディ・マイオ,ロン・フランセル,満園真木
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2018/01/31
  • メディア: 単行本
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暗い感じの表紙だが、中身はとても面白いノンフィクションだった。

 

よくドラマやドキュメンタリーで出てくる「法医学者」と呼ばれる職業。資格としては「医者」で、死体の解剖や化学的な分析などを通じて死因を解明し、それが司法の場において動かぬ証拠に結びつく。

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【書評】霊長類研究と超エンタメSF『Ank: a mirroring ape』

 

Ank: a mirroring ape

Ank: a mirroring ape

 

 

2026年、京都。テロや略奪行為ではなく、「人がそれぞれお互いに殺し合う」という謎の暴動が起こる。「Kyoto Riot」と名付けられたその暴動は、SNSを通じて全世界に拡散され、突如お互いに殺し合うその衝撃的な姿に「ウイルス感染によるパンデミックだ!」とか、「ついに人類はゾンビの脅威に晒された!」といった様々なパニックを引き起こした。

 

しかし、実際は、ウイルスでもゾンビでもなく、たった1匹のチンパンジーが原因だった…

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【書評】関野吉晴ファン必見『カレーライスを一から作る』

 

カレーライスを一から作る: 関野吉晴ゼミ (ポプラ社ノンフィクション―生きかた)

カレーライスを一から作る: 関野吉晴ゼミ (ポプラ社ノンフィクション―生きかた)

 

 

タイトル通り、武蔵野美術大学教授の関野吉晴氏が、自らのゼミで学生たちと一緒に、1年間かけて「カレーライスを一から作る」軌跡がまとめられた本だ。

 

まとめサイトっぽく言えば、「TOKIOがカレーを作ったら」かな。米も、野菜も、肉も、カレールーではなくスパイスも、そして、食器も自分たちで作る。TOKIOなら簡単にやってのけそうではある。

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【書評】大真面目な、命を守るための研究『兵士を救え!マル珍軍事研究』

 

兵士を救え! マル珍軍事研究

兵士を救え! マル珍軍事研究

 

 

タイトルに「珍」ってあるけど、中身はいたって真面目。「珍」は面白いとかくだらないって意味ではなくて、「めずらしい」に読み替えていいかも。

 

例えば、本書のイントロダクションで紹介される、「チキン砲」

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【書評】選挙に、政治に、我々はもっと興味を持つべきだ『黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い』

 

黙殺 報じられない“無頼系独立候補

黙殺 報じられない“無頼系独立候補"たちの戦い

 

 

今のところ、今年読んだ中で最高の本。

 

一見すると本書は、マック赤坂に代表される『選挙に出てくる主要でない候補者』について、面白おかしく書かれた読み物なのかな…なんて軽い気持ちで手に取ったら、とんでもなかった。

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初めての胃カメラの翌日、喉が痛くなった

昨日、人生初の胃カメラを経験してきた

 

人間ドックは何度も受けているが、通常はバリウム検査で、胃カメラは有料オプション。

 

今までは毎年バリウム検査で問題も見つからなかったので、胃カメラはしてこなかったのだが、妻が今年はやってみたいとのことだったので一緒に申し込んで受けてきた。

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【書評】強いものが生き残るのではない、生き残ったものが強いのだ『たいへんな生きもの:問題を解決するとてつもない進化』

 

たいへんな生きもの: 問題を解決するとてつもない進化

たいへんな生きもの: 問題を解決するとてつもない進化

 

 

現在も本屋で平積みされて売れているらしい『ざんねんな生き物事典』の二番煎じかなと思ったけど、これはこれで毛色が違った。ユーモアの溢れっぷりは似たようなものだが、こっちはもっとブラックなユーモアだ。

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