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Under the roof

三児の父が育児、家事、読書のこととか書きます

【書評】読めばきっと走り出したくなる『BORN TO RUN 走るために生まれた』

読書

今年の秋に、近隣の市で開催されるフルマラソンにエントリーした。

エントリーしてしまった…

 

ランニングは好きで、気が向いた時期は集中して走ったりしているんだが、仕事が忙しい時期などで中断してしまうとそこからまたしばらくは知らない時期が続いたり。

 

つまりは、モチベーションの問題で、やる気が出なくなるとランニングの習慣が弱まっていってしまう。


だから、市民マラソン大会に参加する、などの明確な目標があったほうがランニングを続けるためのモチベーション維持になるし、実際走るのが習慣化しているときのほうが体調もいい。

で、その走るためのモチベーションを生むために、一緒にマラソン大会にエントリーした人からこの本を薦められた。

 

BORN TO RUN 走るために生まれた~ウルトラランナーVS人類最強の”走る民族”

BORN TO RUN 走るために生まれた~ウルトラランナーVS人類最強の”走る民族”

  • 作者: クリストファー・マクドゥーガル,近藤隆文
  • 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
  • 発売日: 2010/02/25
  • メディア: 単行本
  • 購入: 16人 クリック: 207回
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本書は、193センチ104キロという巨体を持つ著者が、なぜ走る続けると自分の足は痛むのだろう?という疑問から、人間が走る続けるためにはどうするのが良いのかを、実践と理論を駆使して探究する一冊だ。

 

それだけ体がデカければ、自重でひざや足首に負担がかかって故障してしまうのは当然だろう、というのが頭に浮かぶが、著者以外にもたくさんのランナーが何らかの故障を抱えて走るのを断念せざるを得なくなっている。その事実から、自分以外の人にとっても、故障などのトラブルを抱えずに走るためにはどうしたらいいかを模索する、物語形式のノンフィクションで進む。

 

内容の大部分は、メキシコの辺境地に暮らす「タラウマラ族」と、世界中のランナーたちが、メキシコの荒野を舞台としたとんでもない距離を何日もかけて走破するウルトラマラソンで対戦するというのがメインになっている。

 

物語形式で進むのだが、随所に走るための理論や、ウルトラランナーと呼ばれる凄いランナーたちがや、タラウマラ族の走ることが生活の一部と言えるような日常、そしてウルトラマラソンの顛末と、本筋も蛇足も入り乱れて進むストーリーがやたら面白い。
自分も彼らのように、軽やかに走り続ける人になりたいと思える。

 

メキシコの辺境地に暮らすタラウマラ族は、古タイヤを切って作ったゴム底に、ひもを通しただけのサンダルを履いて、48時間以上をぶっ続けで走り続けるというとんでもない民族だ。
長時間走る続けるというだけでも驚異的なのに、粗末なゴムサンダルで走る続けるというのも普通ならあり得ないことと思える。


ランニングにはまず何より靴の重要性が高く、靴選びに失敗すると足の痛みや故障に繋がることが多い。

 

だが、著者は最先端のランニングシューズを履いて走るよりも、人間は裸足で走るほうが体に適しているのではないか、裸足で走ったほうが故障のリスクは抑えられ、むしろ靴を履いて走ることにより我々は足を故障してしまっているのではないかという結論にたどり着いた。

 

従来のランニング理論とは一線を画すベアフット・ランニングというこの理論は、ビブラム・ファイブフィンガーズという5本指ランニングシューズに代表される裸足ランニングの一大ムーヴメントを巻き起こした。


物語自体も面白いのだが、このベアフット・ランニング理論について知りたい場合は本書の第25章だけでも読んでみることもおススメする。
もちろん、ランニング経験が薄いのにいきなりベアフット・ランニングを始めてしまうと、足の筋肉などがダメージについていけずに怪我に繋がるリスクは高い。


だが、この25章にある「足はこき使われるのが好き」や「人間は靴なしで走るようにできている」といった事実は、自分自身に眠る走るための能力を引き出してみようという、モチベーションの発揮に繋がるようなとても興味深くてワクワクする内容になっている。

 

とにかく、走るという行為はとても心地よく、続けられればこんなにいい趣味はないと思う。ただ、続けられるかどうかが最大の問題で、そのモチベーション維持のために本書はとても役立ってくれそうだ。