Under the roof

三児の父が育児、家事、読書のこととか書きます

【書評】完全にIを超えたⅡ『三体Ⅱ 黒暗森林』

 

三体Ⅱ 黒暗森林(上)

三体Ⅱ 黒暗森林(上)

  • 作者:劉 慈欣
  • 発売日: 2020/06/18
  • メディア: Kindle版
 
三体Ⅱ 黒暗森林(下)

三体Ⅱ 黒暗森林(下)

  • 作者:劉 慈欣
  • 発売日: 2020/06/18
  • メディア: Kindle版
 


久々に止まらなくなった。夜更かししてまで一気読みしたのはいつ以来だろう。

完全に前作『三体』の続きなので、内容を覚えている人はいいが忘れた人はあらすじをネットで見てから読んだ方がいい。未読の人はちゃんと前作読んだ方がいい。前作も破格の面白さだから。

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【書評】リア充糾弾によりファシズムを学ぶ『ファシズムの教室: なぜ集団は暴走するのか』

 

ファシズムの教室: なぜ集団は暴走するのか

ファシズムの教室: なぜ集団は暴走するのか

  • 作者:田野 大輔
  • 発売日: 2020/04/17
  • メディア: Kindle版
 


ファシズムと聞いて、なにを思い浮かべるだろうか。
誰でも歴史の授業で聞いたことはあるだろう。そして、真っ先に浮かぶのはナチスだという人が多いだろう。

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【書評】生活を学問する。『「家庭料理」という戦場: 暮らしはデザインできるか?』

 

「家庭料理」という戦場: 暮らしはデザインできるか?
 

 

”暮らし”を”デザイン”するという言葉は、CMや雑誌やネットで「よく目にする」言葉だ。

ホームセンター、家具屋、ファストファッションブランドの店頭展示ではシンプルでモダンなデザインの家具、服、キッチン用品の展示を目にする。

おしゃれなワンプレートのランチで楽しそうに談笑する家族。対面式のキッチン。日当たりのいいリビング。

ステレオタイプなイメージだが、憧れを抱く生活には一定のパターンがあるように感じる。丹念にデザインされたそれは、所謂「生活感」というものを感じさせないことが多い。テーブルや床に物が溢れ、統一感のない食器や家具を使う生活とは一線を画したものだ。

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【書評】格差、幼稚でキレやすい同僚、カレーパン…『下級国民A』

 

下級国民A

下級国民A

  • 作者:赤松 利市
  • 発売日: 2020/02/29
  • メディア: Kindle版
 

 

本書は「住所不定、無職、62歳でデビュー」という異色すぎる経歴を持つ著者による、東日本大震災直後の東北での復興事業に従事した経験を記したルポだ。震災関連のノンフィクションなんて今更珍しくもなんともないが、本書のあまりの内容の濃さにあっという間に引き込まれて一気読みしてしまった。

ひとりの人間が数年のうちに経験するレベルの話じゃじゃない。復興事業に携わった方たちのインタビューまとめた一冊と言われても疑いなく読めてしまうような内容だ。

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【書評】戦略の面白さの凝縮形『3000年の叡智を学べる 戦略図鑑』

 

3000年の叡智を学べる 戦略図鑑

3000年の叡智を学べる 戦略図鑑

  • 作者:鈴木博毅
  • 発売日: 2019/12/18
  • メディア: Kindle版
 

 

世界的に有名な戦略について、イラスト付きでわかりやすく解説してくれる本書。

本書において著者は「戦略とは追いかける指標である」と提議している。この「追いかける」という表現が大切で、仮に指標を定めた後でも「追いかけている途中」ならその指標は柔軟に変えるべきだとしている。

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戦略はあくまでも最終的な成果に達するための指標であって、むしろ達成困難な状況となったときに「追いかける先」を変更する、つまり戦略の変更を適宜行うことが大切なのだ。その場しのぎになったり、ひとつの戦略に固執してしまうのは良い成果を生むことにならない。

じゃあどういう戦略をとるのがいいのか?となったときに、本書に掲載された様々な戦略が役に立つだろう。「孫子の兵法」から「ブルー・オーシャン戦略」まで、つまり古代戦争から現代ビジネスまで幅広く網羅してくれている。特に「ブルー・オーシャン戦略」は対となる「レッド・オーシャン」まで含めて、なんとなく言葉は知っているけど内容は詳しく説明できないな…という僕のような意識低い社会人にとってはとてもありがたい解説書となってくれた。
ありがたいのはとにかく広く浅くなので、概要をとりあえず本書で掴んでおいて、そのうえで専門書に繋ぐというハブ的な役割を果たしてくれるところだ。参考文献のリストも掲載されているので、何を読めばいいかわからないということにもならない。

ビジネスだけでなく、人生の行き詰まりにも役立つと言っても過言でないだろう。なんとなくパラパラ読んでいるだけでも充分面白い。とりあえず本棚に置いておきたい一冊。

足が痛い男は電気羊の夢を見るか?

昨日は暖かく穏やかで、外出にはうってつけの1日だったが、公園にも行けないので自宅でゆっくり過ごしていた。


とはいえ、せっかくの天気。庭で遊ばないのはもったいないので、ポブプアップテントを広げ、ウッドデッキにはテーブルと椅子を設えてお庭デイキャンプをすることにした。

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狭い庭だが、外に出ているだけで子どもたちのテンションは上がる。3歳の次男はストライダーにまたがり、グルグルと走り回った挙句、僕の車に突っ込んでいた。勘弁してくれ。

 

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