Under the roof

三児の父が育児、家事、読書のこととか書きます

【書評】カモノハシのスペックと歴史『カモノハシの博物誌~ふしぎな哺乳類の進化と発見の物語』

 

カモノハシの博物誌~ふしぎな哺乳類の進化と発見の物語 (生物ミステリー)

カモノハシの博物誌~ふしぎな哺乳類の進化と発見の物語 (生物ミステリー)

  • 作者:浅原 正和
  • 発売日: 2020/07/13
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

皆さんご存じ、カモノハシ。
でも、実際はカモノハシについてどれくらいのことを知っているだろうか。

変わった見た目、哺乳類なのに卵を産む、オーストラリアに生息、あたりが基本中の基本情報だろうか。そして、哺乳類・鳥類・は虫類といった生物の分類上の「例外」として扱われる存在でもある。

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【書評】『カササギ殺人事件』と、「下巻、ある?」案件について

 

 

『バーナード嬢曰く。』という漫画をご存じだろうか。
読書好きで読書ブログ覗くような人なら認知率はかなり高いんじゃないだろうか。読書好きの登場人物たちが読書あるある的な出来事を交わし合う学園日常的な漫画で、元ネタの本を知らなくても楽しめるし元ネタを読んでいるとより面白い。

で、それの5巻にこの『カササギ殺人事件』が登場する。
本の内容にはほとんど触れずに、ただ登場人物たちが上巻を読み終わった後、本書を薦めてくれたミステリー好きの長谷川さんに「下巻ある?」と尋ねる。

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【ゲーム】長男とゲラゲラ笑いながら遊ぶ『Good job!』

 

store-jp.nintendo.com

前からこのソフト気になっていたのだが、12月30日からニンテンドーストアの新春セール対象になっていたので購入してみた。
小学2年生の長男と一緒にプレイしているんだが、とにかく面白くてゲラゲラ笑いながら遊んでいる。

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2020年に読んだ本のベスト

なんか今年はとんでもなく早かった気がする。
自粛生活により日々の変化が乏しく、節目を感じるイベントもなかったからだろうか。個人的には毎年1回はフルマラソンを走っていたのに、今年はそれもなかった。仕事は部署異動で忙しくなり、家に帰るとクタクタで脳を働かせる気にならず、読書せずにYouTubeでサッカー動画見ながら酒飲んで寝るばかり。ランニングしなくなるわダラダラしてばかりだわでよくない1年だった。

そんな1年でも、数少ない『ハマった本』があるので、一応1年の〆として紹介したい。

 

◆三体Ⅱ 黒暗森林

三体Ⅱ 黒暗森林(上)

三体Ⅱ 黒暗森林(上)

  • 作者:劉 慈欣
  • 発売日: 2020/06/18
  • メディア: Kindle版
 
三体Ⅱ 黒暗森林(下)

三体Ⅱ 黒暗森林(下)

  • 作者:劉 慈欣
  • 発売日: 2020/06/18
  • メディア: Kindle版
 

 

今年はコレを絶対に外せない。仕事でどれだけ疲れていても、コレを読みたいという気力だけは消えなかった。こういう出会いがあるから読書はやめられない。

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【書評】怒りが娯楽と化した現代への処方箋『「許せない」がやめられない SNSで蔓延する「#怒りの快楽」依存症』

 


本書は主にTwitterで見られる「怒り」に焦点を合わせており、異様に渦巻く怒りや歪んだ正義がいかにして発生しているかを解説してくれる本だ。

こういったネット上の怒りの奔流は今に始まったことではなく、ご存じのとおり2ちゃんの時代から歪んだ正義と怒りは確実に存在していた。だが、その頃はインターネットにどっぷりつかった人たちの世界だったため、世間一般への浸透は少なかっただけだろう。それが今や一大コンテンツとして、娯楽の一角を担うまでになっている。

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【書評】恐るべきポテンシャルの生物『ハダカデバネズミのひみつ』

 

ハダカデバネズミのひみつ

ハダカデバネズミのひみつ

  • 発売日: 2020/08/15
  • メディア: 単行本
 

ハダカデバネズミについて、そのインパクトのある名前と姿は当然知っていた。だが、内に秘めた驚異的なポテンシャルについて、僕は1割も知らなかったことを思い知らされた。

その名前と見た目で、スベスベマンジュウガニとかトゲアリトゲナシトゲトゲみたいにたまに動物系テレビ番組とかWEBのまとめサイトとかで目にするお笑い動物的な存在だろ…と思っていた自分を戒めたい。こんなに面白くて科学的な可能性を秘めた奴だったなんて…

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【書評】中国SFのベストアルバム的アンソロジー『時のきざはし』

 

ここのところの中国SFブームに乗せられ、Netflixで映像化が話題になった『三体』シリーズや、『紙の動物園』に代表されるケン・リュウの著作、『折りたたみ北京』などのアンソロジーと、評判になったものをだいたい読んできた。
で、全作品とも読んですぐに好きになる面白さを携えていた。翻訳物のハードSFにありがちな難解さやとっつきにくさがなくて、「ちよっと何言ってるのかわからない…」なんて部分がほとんどない。どの小説も最初から最後まで面白いのだ。そんな感じで、個人的に「邦訳された中国SFにハズレなし」な状況になっている。

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