Under the roof

三児の父が育児、家事、読書のこととか書きます

はじめての仮病

3歳の息子はいつも、朝食に牛乳とバナナとヨーグルト、あとは日替わりでおにぎりやトーストなどを食べる。
バナナは離乳食開始頃からずっと好きで、毎日朝食時と保育園からの帰宅後と2回、飽きもせずに食べ続けている。息子の体の半分はバナナで出来ているといっても過言ではない。

そんな息子が、珍しく朝食のバナナを半分残していた。
「どうしたの?バナナ美味しくなかった?」バナナが古くなっていたかもと危惧したが、息子の回答は「おなか痛いの…」だった。

風邪をひいていてもバナナ1本ならいつも食べきっていた息子だけに、半分残すというのはけっこう辛いんだなと見て取れる。表情も暗い。
幸いにして熱はなさそう。だが、僕も妻も今日は会議等で仕事を休めそうにない。仕方ないので、実家にお願いしてみようかという結論に落ち着き、息子に「ばあばんちで今日は過ごせる?」と聞く。

すると、さっきまでテーブルに突っ伏して具合の悪そうだった息子が、勢いよく立ち上がり「うん、行く。電話しよう!」と固定電話のほうに歩き出した。
ええ…どうした…?大好きなばあばのところに行けるとなって急に元気出たのか…?まあ、仕方ないか。おなか痛いんだし、ばあばと一緒に少し安静にしててもらうか。なんて考えつつ、とりあえず実家に電話して息子を預かってもらう了解を得た。

電話後、テーブルに戻った息子は、半分残ったバナナを何事もなかったかのように完食し、結局いつもと同じ量を食べた。
おいおい、さっきまでの不調っぷりはどうしたんだよ…。3歳にして初の仮病か…?今はどう見ても元気じゃん…。

「おなか痛いの?」と再度聞くと「うん」としか答えない。「元気に見えるけど、保育園行こうか?」と聞くと「行かぁなぁいぃぃ!妹ちゃんは行くけど息子くんは行かないぃ!!」と1歳の娘は保育園で自分はばあばの家だと力強く宣言してきた。元気じゃん。大声張り上げられるほど元気じゃん。ディアボロと対面した瞬間に「オレは上!きさまは下だ!!」と宣言したポルナレフの如く元気じゃん。

腹痛の真相はわからない。バナナを半分残していたのは事実だ。だが、こんなふうに仮病を疑ったのは今回が初めてだった。仮病だったとして、今後息子は同じ手を使ってくるのだろうか。新たな不安を感じさせる出来事だった。