Under the roof

三児の父が育児、家事、読書のこととか書きます

【書評】最高に笑える科学本『ホワット・イフ? 野球のボールを高速で投げたらどうなるか』

 笑った。ワクワクしながらページを手繰り、ニヤニヤしながら読み進め、たまに吹き出す。そんな一冊。

 

ホワット・イフ?:野球のボールを光速で投げたらどうなるか

ホワット・イフ?:野球のボールを光速で投げたらどうなるか

 

 

 昨年、書評サイト「HONZ」でレビューされ、はてブも大量に稼いだ本書。ずっと読みたいと思っていたものを、ようやく読むことが出来た。

「HONZ」では、「今週のSOLD OUT」という、サイトで紹介した本がAmazonで売り切れになったものを紹介するコーナーもあるんだが、そのコーナーでも何週にもわたって「売り切れです!」と紹介されていたので、面白そうで売れまくっている、前評判だけでも絶対読みたいと思わせる本だった。
 
で、実際読んでみると、流石高評価だっただだけはある面白さ。もう、面白い。科学本なんだけど、そんなに集中して読まなくても内容は頭に入ってくるし、読みながらニヤニヤしてしまう面白さ。
 
サブタイトルである『野球のボールを高速で投げたらどうなるか』がもう秀逸。2chの有名なコピペ「ウンコを高速でしたらどうなるの?→お前のウンコで地球がやばい」を思い出した人はたくさんいるはず。
そう、質問のレベルは2chや、昔放送していた「トリビアの泉」のトリビアの種のコーナーレベルの質問が多い。ただ、それは質問のレベルが低いということではなく、日常には何の役にも立たないけど、疑問として頭に浮かんじゃったからわかる人解決してほしいな、といった質問ばかり。
 
ちなみに、サブタイトルになるだけあって『野球のボールを高速で投げたらどうなるか』の回答が僕は一番面白かった。
 
他に、『マシンガンを何挺か束ねて下向きに打ってジェットパックの代わりにし、飛ぶことはできますか?』『2人の不死の人が、地球に似た誰も暮らしていない惑星の、互いにちょうど真裏にいたとします。この2人が出会うにはどれくらいの時間がかかるでしょうか?』あたりの質問は、自分で映像を浮かべながら何回か繰り返し読んでしまった。
本書には作者自身が描いた、棒人間や簡略化された絵を利用した解説も載っているので、映像を思い浮かべるのも容易だったりする。
 
さらに、そんな質問たちの中でも、さらに「変な」、そして「怖い」質問が、本編の合間に挟むように載っているのも面白い。
例えば、『チーズを切るワイヤーで、おへそのところで真っ二つに切断されるためには、人間はどれくらい速く走らないといけませんか?』著者の答え→『キャー!』と、ちょっともう本気で何言ってるかわからないしそれ知ったとして何か怖いことしようとしてない?って質問がたくさん小休止的な役割で出てくる。こういうのも、読んでいて飽きさせない、ちゃうど良い刺激になってくれている。
 
どんなにバカバカしい質問でも、科学に基づいて真剣に回答すれば、思いの外美しい回答が導き出されたりもする。
笑えて、スッキリさせてくれて、短編集のようにサクッと少しだけ読むこともでき、なおかつ全体のボリュームはたっぷり。流石に評判通りの一冊だと感じた。