Under the roof

三児の父が育児、家事、読書のこととか書きます

【書評】子供たちと一緒に見たい『生きものたちのつくる巣109』

生きものたちのつくる巣109

生きものたちのつくる巣109


こういう本大好き。僕は昔から図鑑が大好きだった。幼稚園児の頃からの図鑑マニアだ。
年少組の息子にはまだ早いかな。子供たちがもう少し大きくなったら一緒に見ようと思う。

中身はタイトルそのまんま。生きものたちの『巣』に焦点を当て、どうやってその巣を作るか、その巣でいったい何をするのか。109種類すべて、丁寧なイラストで外観だけでなく断面図や制作の経過なんかも含めてわかりやすく解説されている。

例えばクモの巣なんかも、どんな順番で糸を張って作るかがイラストで順を追って説明されている。普段は見かけると鬱陶しいだけのクモの巣も、実際は計算された立派な構築物に見えてくるので、次にクモの巣を見かけたら慎重に観察してみようという気になった。

先日レビューを書いた『ハキリアリ』の巣も載っており、僕にとってはタイムリーな情報だったのでテンションが上がった。本書での巣の解説は『ハキリアリ』に載っていた内容と変わりない。

哺乳類、鳥類、爬虫類、昆虫、とにかく情報は多岐にわたり、そしてすべての巣が合理的に作られた物だと感心しきりだった。

『巣』といえど、その目的は多岐にわたる。子育てのため、食事のため、安全確保のため、獲物を捕まえるため…そしてそれら複数の目的をを兼ね備えた巣もある。
子育て目的であれば、寒暖差の激しい地域でも巣の中を過ごしやすい温度に保つ工夫。安全確保なら、サボテンやスズメバチを利用して自分を守ってくれる環境を確保する工夫。そんな方法があるのかと思わず唸るものばかりだ。

巣作りで有名な生き物に、ダムを作るビーバーがいる。
当然ビーバーのページもあり、「はいはい、ダム作るんだよね知ってるよ」なんて思いながら読んでいるとその遥か上をいく情報ばかりで舌を巻いた。
ダムの中の巣はどういう形をしているのか、なぜダム作りをすると安全なのか、万が一巣が危険に晒されたときはどう対応するのかも、何種類ものイラストで見た瞬間わかるように解説されており、巣の機能性の高さに驚いてばかりだった。

ビーバーに限らず、知っている生きものも知らない生きものもすべて「合理的ですげえ」と思わざるを得ない巣ばかり。
生きもの図鑑が好きな方なら、必ずハマる一冊だと思う。