先日、職場の夏季休暇を取得して妻と2人で出かけてきた。おそらく、出産前、最後の2人っきりのデート。
妻とは学生時代からの付き合いで、その頃よく行っていた茨城県つくば市内でランチや買い物を楽しんだ。
午後、休憩がてら、学生時代からずっと気になってはいたが入ったことのなかったカフェへ。
洋菓子店で、ケーキを売っているのだが、併設でカフェも営んでいて、ケーキを食べながらお茶することができる。
ウイーン菓子のお店で、ウイーンと言えばザッハトルテ。ザッハトルテとは、ウイーンの老舗ホテル・ザッハーの名物菓子で、アンズジャムを塗ったチョコレートケーキにさらにチョコレート入りの糖衣を纏わせた、チョコレートケーキの王様とも称されるケーキだ。
ザッハトルテは、「ホテル・ザッハー」のザッハトルテと、王室御用達のケーキ店「デーメル」のザッハトルテと、発祥の店と呼べる店がウイーン市内に2つある。
僕は学生時代の卒業旅行で、ウイーンを旅したことがあり、その際に「デーメル」のザッハトルテを味わうことができた。
その時抱いた感想は、「見た目に反してざらざらしてる…」だった。
佳―期の周囲をコーティングしているチョコレートが、見た目は滑らかに見えるが、実際はチョコレートと砂糖を再結晶させたものを使っているため、コーティング部分はざらざらとした砂糖菓子の食感になっている。
日本のチョコレートケーキと比べるとそこが全く違う点になっているが、当時の僕は「うーん、思ってた感じと違うう…」とひとりデーメルの店内で感じていた。
時を経て、日本のつくば市で食べるザッハトルテ。このお店のザッハトルテも、本場の味と同じくチョコレート部分の食感はざらざらしてる。今は純粋に、おいしいと感じられた。
添えられた無糖のホイップクリームを箸休めに、アンズジャムのほのかな酸味がするザッハトルテをいただく。このお店のザッハトルテは、デーメルと同じくアンズジャムをケーキとコーティングの間にのみ薄く塗られていた。
店内のテーブルやソファーの雰囲気も、ウイーンのカフェに近い内装となっている。落ち着いた雰囲気で、窓の外に見える洞峰公園の景色を眺めながら、大人のカフェタイムを満喫できる、とても素晴らしいお店だった。