今週のお題「読書の秋」
年中本を読んではいるけど、「読書の秋」にはよりたくさん本を読みたい、いや、むしろ夏よりも読書が捗っていつもよりたくさん本が読めるんじゃないか?なんて考えてこの秋はいつもの倍ぐらい本を読みまくってやろうといつも思うんだが、実際にはいつもと変わらないペースで読む、いつの間にか秋が過ぎ去って「たくさん読む予定だったのにな…」なんて虚しい感覚を味わったりする。
ただ、秋の読書に特別感があるのは間違いない。なので、ぜひ秋の夜長に時間を気にせず没頭して読んでほしい小説をいくつか紹介したいと思う。
◆その女アレックス
まあ、やっぱり秋の夜長はミステリーということで、コレ。
ミステリーの醍醐味といえば、謎が解けた時のどんでん返しだが、これはその仕掛けがひと味もふた味も違う。
故に、ちょっとトリッキーだからミステリー慣れしてる人こそ、この面白さを噛み締められると思う。
未読なら、ぜひ時間がたっぷり取れる時にどうぞ。てか、未読のひとが本当に羨ましい。
◆火星の人
映画『オデッセイ』の原作でもあるSF小説。
事故で火星に一人取り残された宇宙飛行士兼科学者のサバイバル物語。
生き残ることにひたむきでユーモアのある主人公が魅力的で、ストーリーのテンポも良くて、しっかりSFもしている。
純粋に、ワクワクして面白いものを読みたい人に。
◆グールド魚類画帳
- 作者: リチャード・フラナガン,渡辺佐智江
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2005/06/25
- メディア: 単行本
- 購入: 7人 クリック: 1,514回
- この商品を含むブログ (49件) を見る
小説というものの面白さなら、コレ。
潮の満ち引きにより海水が侵入してきてしまう、干潟に作られた檻に閉じ込められた囚人の手記。
奇々怪界な設定と、妄想なのか現実なのかわからない、頭が溶けそうになるストーリー。だけど、すべて魚にまつわるそれらのストーリーはどこか滑稽でカオスで面白い。面白いお話が、読んでいる頭の中を駆け抜けて行く感覚。
何にも考えずに、面白い話を読みたいなら是非。
◆紙の動物園
SF短編集。SFといってもハードではなく、ファンタジー的な要素があってむしろストーリー重視。最近文庫化された。そのかわり単行本だと1冊だったのが2冊に分けられてる。
短編全部面白くて、感動的。家族とか愛とかがテーマのものが多い。
しっとりと読書の夜を楽しみたい時にどうぞ。
◆タタール人の砂漠
何度もこのブログで紹介してるし、僕も何度でも言いたいんだが、コレは僕の人生において間違いなくトップ5に入る小説。
だけど、読んでもつまらないとしか感じない人もいるであろう小説。
結末を言ってしまえば、何も起こらない。そう、何も起こらないのが人生。だけど、何も起きないにしても、人間は最終的に「死ぬ」
何が起きても、人生の結末は死だ。僕も最後は死ぬ。だけど、ダラダラ人生を送っていると、ついそのことを忘れてしまう。
この小説は、そんな「何もないままでも、人間は歳をとって最後に死ぬ」ことを恐ろしいリアルさで突きつけてくる。
アラサー、アラフォー男性にこそ突き刺さる、人生の詰まった小説。
◆◆◆◆
というわけで、以上5冊。どれもこれも、未読のひとが羨ましくなる小説ばかり。
是非、読書にゆっくりと浸かれる環境を用意してから読んでください。