Under the roof

三児の父が育児、家事、読書のこととか書きます

Salt and Sanctuaryのニンテンドースイッチ版にハマっていたら水を差されたりした

ニンテンドースイッチで『Salt and Sanctuary』というダウンロード専用ゲームを買った。

 

ec.nintendo.com

「2D版ダークソウル」といわれているゲーム…というか、プレイしている限り完全に2D版ダークソウル以外に言いようがない。

まあ、実は僕はダークソウル未プレイでデモンズソウルしかプレイ経験がないんだが、「死んで覚える高難易度のゲーム」というスタイルのほかに、

 

・死んだところorプレイヤーを殺した敵に「ソルト」という経験値が残る。

・死亡地点まで戻って、そこにいる敵を倒せばソルトは回収できる。

・ただし、回収前に再度死ぬとそのソルトは永遠に失われる。

 

いやもうまるっきりデモンズじゃん。「ソウル」が「ソルト」になっただけじゃん。

 

今調べたらデモンズってもう10年以上前のゲームだということを知り驚いてもいるんだが、それを踏まえてもこの、デモンズが原点というべき「死後の経験値回収システム」はよくできていたんだなと感心してしまった。

 

死んで覚えるのがアリという高難易度のゲームで、残機やコンティニューなどのアクションゲームとしての死のカジュアルさではなく、あくまでアクションRPGとして経験値などによる成長要素を絡ませた「重すぎず軽すぎない死のペナルティ」として、とても完成度の高いシステムだったんだと再確認した。

 

死ぬのは嫌だけど、テクニックだけでなくキャラクターも地道に成長すれば、いずれ死ににくくなってくるという仕組みの見せ方が、何度でも繰り返し遊ぶモチベーションに繋がってくれる。


それが陰鬱で恐ろしさも感じるゲームの雰囲気とあいまみえてとても面白い。

 

そう、とても面白いよくできたゲームだと思う。まだまだ序盤なんだが、2,000円以下でこのクオリティーのゲームが、しかもスイッチなので携帯モードでもテレビ出力でも遊べるというのは本当にありがたい。しばらくハマらせてくれそう。

 

と思って、昨日も夜な夜な子どもたちが寝静まった後にひとりリビングのテレビでプレイしていたんだが、そこに風呂上がりの妻が来て「…なにこのゲーム。凄く暗いけど。何が目的のゲームなの?」と聞かれた。ちなみに妻は全くゲームをやらない。

 

うーん、確かに「何が目的?」と聞かれると、ゲームをやらない人に簡単に説明するのは難しいなと。一応ストーリーとしては王女の護衛だった主人公が、乗っていた船の難破で呪われた島に流れ着いてそこの謎を解き明かしていく…的なあらすじがあるんだが、まあかいつまんで「普通のアクションゲームみたいに敵やボスを倒して、時には謎解きなんかもしながらクリアを目指していくゲームだよ」と説明した。

 

妻は「ふーん」とそんなに興味がなさそうな返事をし、そのまま僕の隣に座ってゲーム画面を眺めていた。異形の敵が出てくるたびに「うわ、なにこれ」とか、僕がやられるたびに「あっという間にやられたね」とか呟いて、一応ゲームの流れを見てくれているようだった。

 

その後、10分ほど僕のプレイを見たうえで、妻は「いや、このゲームあたしには何が面白いのかわからない…」と言った。

 

暗くて爽快感のない画面、理不尽な強さの敵に殺されたり、わかりにくい場所に隠されたトラップに撲殺され、あっという間に死んでしまう主人公、今のところ魔法を使わずにプレイしているので主人公の動きは「ジャンプ」と「剣で切る」くらいしかないのでアクション性も乏しい。


ああ、確かに。これはデモンズをプレイ済みの僕としてはその秀逸な雰囲気にのめり込んでしまっていたが、ゲームを全然知らない人にとっては、マリオやドラクエみたいな王道からかなり外れた本作はシュールすぎてよくわからないだろうなと。面白そうには見えないだろうなと、改めて気付かされた。

 

そんな視点もあるというのを踏まえたうえで、こういったインディーゲームが手軽にダウンロードで、携帯でもテレビでも遊べるようになったことは素晴らしいことなんだなと感じた。


僕が中学生だった頃、ゲームは初代プレイステーションが主役となり、ポリゴンを利用した3D技術が一般的になったり、ロムカセットからCDにソフト媒体が変わったことによりソフトの容量が増え、多様なゲームが実験的にたくさん出ている時代だった。個人的にはゲーム業界のカンブリア爆発みたいなものだと思っている。

 

それがPS3、PS4と時代が進むにつれ、国内のゲームソフトメーカーは衰退し、FPSやオープンワールドに代表されるスケールのデカい洋ゲーがメインストリームになっていった。


そんななか、少し前まではインディーゲームはパソコンやスマホアプリを主戦場としていたが、それが今はスイッチをプラットホームとしてゲーム機の画面とコントローラーで思う存分「ゲームとして」遊べる。わざわざ高スペックパソコンを用意したり、スマホのタッチパネルでコントロールに煩わしさを感じずに遊べる。


片や6歳の息子とニンテンドーラボを作ったりスーパーマリオオデッセイを楽しみ、片や僕はひとりで夜な夜なインディーゲームを楽しむ。最高じゃないかと。そういう喜びを、改めて感じた、そんな出来事だった。