Under the roof

三児の父が育児、家事、読書のこととか書きます

子どもの勉強を見ながら、どこまで蛇足を広げるか迷った話

昨日、小学一年生の長男の宿題を見ていた。
学校からのプリントで、簡単な足し算の問題だった。

「猫が3匹いました。そこへ猫が4匹やってきました。今何匹いますか?」
「馬が4頭いました。そこへ2頭やってきました。今何頭いますか?」

どちらも式と答えを書くタイプの宿題で、それはすんなりと正解していた。

そこでついでに、長男に「猫は1匹、2匹で、馬は1頭、2頭って数えるよね。じゃあゾウは?」と聞いてみた。すると「うーん、1頭?」と。正解。

じゃあネズミは?と聞くと「匹?」うん、正解。

匹と頭の違いは何だと思う?と聞くと、大きさかなぁ?という答えも返ってきて、これも小1なら充分な正解。

一応、補足で「犬よりも大きかったら頭、犬より小さかったら匹かな。犬は大きいのも小さいのもいるけど匹でも頭でも間違いじゃない。ただ、もし間違ってもそこまで気にすることでもない」と伝えたが、どこまで頭に入ったのか。

ただ、曲がりなりにも今までの経験により答えを推測することができているようで、なんか少し嬉しくなった。

しかし、ここからが問題で。

息子が、じゃあティラノサウルスは?と聞いてきた。最近恐竜が好きで、自由帳などに絵をよく描いている。

恐竜は…哺乳類じゃないから匹かな…でも大型恐竜は頭でもいいかもね…と少し答えを濁していると、
「じゃあワニみたいな恐竜は?あれってティラノサウルスより強いんでしょ?大きいから1頭2頭かな?」と。

ワニみたいな恐竜?モササウルスのことかな…?
映画ジュラシック・ワールドにおいて強烈なインパクトを残し、今や人気種になったらしいモササウルス。
現在放送中で息子も見ている特撮ヒーロー「騎士竜戦隊リュウソウジャー」でも、最近登場したリュウソウゴールドのモチーフとなっていて、先日の放送でもまさにモササウルス型のメカが巨大ロボットに変形して活躍していた。

 

騎士竜戦隊リュウソウジャー 騎士竜シリーズ07 竜装合体 DXキシリュウネプチューン

騎士竜戦隊リュウソウジャー 騎士竜シリーズ07 竜装合体 DXキシリュウネプチューン

 

 

主人公はティラノサウルス型のメカを使うんだが、戦隊モノにつきものの「後出しの仲間は特別枠で強い」設定のため、最近出たモササウルス型のメカがティラノを差し置いて活躍している様子を見て「ティラノサウルス<モササウルス」なパワーバランスが頭の中に形成されてしまったらしい。

この、「ワニみたいな恐竜はティラノより強い」という話について間違いを指摘するなら、
①「ティラノサウルス<モササウルス」という図式は必ずしも正しいわけではない
②そもそもモササウルスは恐竜ではない

の2点だ。ただ、間違いを指摘するなら解説も必要になる。
①についてはそれぞれの生態と、住んでいる場所、時代など、「ティラノサウルスとは」と「モササウルスとは」を説明すればなんとなく理解してくれそうだが、②についての説明はどこまですべきかが難しい。

恐竜の定義について、海棲爬虫類との違いについて、じゃあなんで恐竜もそうじゃないのも名前に「サウルス」ってついているのか、なんで同じ図鑑に載っているのか…などなどの細かい点を考えると、正直大人だって正確に説明できる人は少ない。

特撮ヒーローなどの好きなコンテンツを通じて今まで触れたことのないものに興味を持つのはいいが、そこで演出や思い込みによって誤った認識を形成しちゃったときに親はどこまで正すべきか。

今回は生物学の話だったが、これが他の分野に及ぶことはたくさんあるだろう。スポーツ系のアニメで物理を無視した必殺シュート的なモノが出るのはごく普通の流れだ。子どもが見るテレビ番組は過剰な演出で溢れている。

気にしすぎる必要はないと思うが、生物学、自然科学、天文学など知れば知るほど面白くなる科学分野について、好きなコンテンツを通じてせっかく興味を持っても、間違っていたりその先に繋がらなくなってしまってはなんとももったいないと感じてしまう。

根気よく、年齢に合った図鑑や映像を提供することにより正しい知識を吸収していってほしいが、今のところ息子はどうも「リュウソウジャーを見ていれば満足」になってしまっている。
そこからワンステップ上へ進むような手助けをするのって、なんとも難しいなと感じた出来事だった。