Under the roof

三児の父が育児、家事、読書のこととか書きます

【書評】ケン・リュウ凄すぎ。この短編集もハズレなし。『母の記憶に』

  

母の記憶に (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

母の記憶に (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

 

 

前作『紙の動物園』がめちゃくちゃ面白かったケン・リュウの短編集第2弾。『紙の動物園』も短編集で、しかも全部面白いという傑作だったため、今回は期待値高いけど大丈夫か…と思って読み始めたらこれがもう余裕で上回ってくる面白さ。まじかよケン・リュウ。絶対次も読むしもっと刊行ペース上げてくれとも思わざるを得ない。

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【書評】「仕事のため」「家庭のため」に罪悪感があるすべての人へ。『仕事と家庭は両立できない?:「女性が輝く社会」のウソとホント』

 

仕事と家庭は両立できない?:「女性が輝く社会」のウソとホント

仕事と家庭は両立できない?:「女性が輝く社会」のウソとホント

  • 作者: アン=マリー・スローター,篠田真貴子(解説),関美和
  • 出版社/メーカー: エヌティティ出版
  • 発売日: 2017/07/31
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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こういった「仕事と家庭の両立」について書かれている本は無数にある。本書の冒頭で特に言及されているものに、Facebookのシェリル・サンドバーグCEOが著した『LEAN IN 女性、仕事、リーダーへの意欲』という本がある。

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うちの子どもたちは全員大根とにんじんの煮物が好き

今週のお題「得意料理」

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うちの子たちは、みんな大根とにんじんの煮物が大好きだ。

 

僕は結婚してから料理をするようになり、子どもができるまではある程度バランスを考えつつ好きなものを作ることが多かった。豚のしょうが焼きとか、焼き魚とか、から揚げとかの普通の簡単で美味しいおかずのローテーション。実家に住んでいた時も母が同じようなメニューでご飯を作ってくれていたので、特段変わらない食生活をずっと送ってきた。

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【書評】Tシャツと人生と。『捨てられないTシャツ』

 

捨てられないTシャツ (単行本)

捨てられないTシャツ (単行本)

 

 

何だろう、この面白さは。

『捨てられないTシャツ』ってタイトルだけど、中身はほとんど誰か知らない人の半生について短くまとめられたエッセイみたいなものが大半。で、申し訳程度にTシャツの画像とそれについてのエピソードが載っている。

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【書評】最悪へと突っ走った事故事例たち『大惨事と情報隠蔽』

 

大惨事と情報隠蔽: 原発事故、大規模リコールから金融崩壊まで

大惨事と情報隠蔽: 原発事故、大規模リコールから金融崩壊まで

 

 

不謹慎な言い方だが、とても面白かった。

 

本書は、原発事故、原油流出、金融危機、大規模リコール…リアルタイムで目にしたものや、過去の大惨事として現代史に残っているものなど、一級の事故事例について詳細に記載された、ボリューム満点のノンフィクション。どの事例を読んでも面白く、その酷すぎる経過が手に取るようにわかる。

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【書評】ブラックスワンを乗り越えて、反脆くなれ!『反脆弱性ーー不確実な世界を生き延びる唯一の考え方』

 

反脆弱性[上]――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方

反脆弱性[上]――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方

  • 作者: ナシーム・ニコラス・タレブ,望月衛,千葉敏生
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2017/06/22
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログを見る
 
反脆弱性[下]――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方

反脆弱性[下]――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方

  • 作者: ナシーム・ニコラス・タレブ,望月衛,千葉敏生
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2017/06/22
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログを見る
 

 

著者ナシーム・ニコラス・タレブの本は『まぐれ』『ブラックスワン』と両方読んできて、どちらも強烈に記憶に残る面白さだった。


そんなタレブの最新作。『ブラックスワン』では「ありえないことは起こり得る」ということを様々な視点からひとつひとつ塗りつぶすようにして書き連ねていたが、本書でもそのスタイルは踏襲されている。だからこそ面白い。

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