Under the roof

三児の父が育児、家事、読書のこととか書きます

SF

【書評】人生・生命・涙。テッド・チャン『息吹』

息吹 作者:テッド・チャン 発売日: 2019/12/04 メディア: 単行本 流石テッド・チャン。17年ぶりの新作で、『あなたのための物語』の高い高いハードルを余裕で越えてくれた。 まずは最初の「商人と錬金術師の門」どの書評サイトでもまずこの作品で大絶賛だっ…

【書評】中国SFってだけじゃなく、小説として最強『三体』

三体 作者: 劉慈欣,立原透耶,大森望,光吉さくら,ワンチャイ 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2019/07/04 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 各所で話題になった本書。 やっぱり今は中国SFが熱いらしい。ケン・リュウも『紙の動物園』以降、…

僕をSF沼に落とした5作

srdk.rakuten.jp 面白かった。 『古典は除く』『手に取りやすいように文庫化されているもの』この2つの縛りだけでとてもありがたい。 『戦闘妖精・雪風』と『火星の人』は既読で、当たり前だがどちらもめちゃくちゃ面白かった。雪風のほうは続編の『グッドラ…

【書評】霊長類研究と超エンタメSF『Ank: a mirroring ape』

Ank: a mirroring ape 作者: 佐藤究 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2017/08/23 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (5件) を見る 2026年、京都。テロや略奪行為ではなく、「人がそれぞれお互いに殺し合う」という謎の暴動が起こる。「Kyoto Riot」と…

【書評】『あなたのための物語』なぜ、死を受け入れなければならないんだろう?

あなたのための物語 作者: 長谷敏司 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2013/11/15 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (3件) を見る 【書評】『死すべき定めーー死にゆく人に何ができるか』 - Under the roofを読んだ後、死について書かれた小説をい…

【書評】究極の未知『ソラリス』

ソラリスを再読した。 ソラリス (ハヤカワ文庫SF) 作者: スタニスワフ・レム,岩郷重力,沼野充義 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2015/04/08 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (12件) を見る きっかけは、先日読んだ上田岳士著『太陽・惑星』内に、…

【書評】映画「オデッセイ」原作『火星の人』〜生き残るのに理由はいるのかい?

現在公開中の映画『オデッセイ』の原作。火星の人〔新版〕(上) (ハヤカワ文庫SF)作者: アンディ・ウィアー,小野田和子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2015/12/08メディア: 文庫この商品を含むブログ (9件) を見る 映画見に行く時間的余裕がないので、Kind…

最高・最強・最終◆上田岳弘『太陽・惑星』

太陽・惑星 作者: 上田岳弘 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2014/11/27 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (38件) を見る 昨日の投稿の続き。

大錬金の衝撃◆上田岳弘『太陽・惑星』

太陽・惑星作者: 上田岳弘出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2014/11/27メディア: 単行本この商品を含むブログ (38件) を見る これはすごかった。先に「私の恋人」を読んで、オリジナリティあふれるプロットに舌を巻いたが、その前作にあたるこっちがあってこ…

国際テロは宇宙から『オービタル・クラウド』

『太陽の簒奪者』の読後(感想はこれ→『太陽の簒奪者』年末にkindleで買った小説が面白かった。 - Under the roof)、おススメSFとして紹介されたので読んでみた。オービタル・クラウド作者: 藤井太洋出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2014/02/21メディア: …

『太陽の簒奪者』年末にkindleで買った小説が面白かった。

太陽の簒奪者作者: 野尻抱介出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2013/04/25メディア: Kindle版この商品を含むブログ (8件) を見る 年末のkindleストアセールで何冊か購入していたうちの1冊。連休中に読んだ。今やなかなか書籍を開いてゆっくりする時間もとれ…

涙、家族、無償の愛のSF短編集『紙の動物園』

紙の動物園 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)作者: ケン・リュウ,古沢嘉通,牧野千穂出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2015/04/22メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (16件) を見る 近所の書店で平積みになっていて、気になって仕方なかった…