Under the roof

三児の父が育児、家事、読書のこととか書きます

【書評】徹夜ミステリー『数字を一つ思い浮かべろ』

 

数字を一つ思い浮かべろ (文春文庫)

数字を一つ思い浮かべろ (文春文庫)

 

 

ある新興宗教の代表者宛に届いた脅迫めいた手紙。そこには「1から1,000までの数字でひとつ頭に思い浮かべろ。浮かべたあとに同封の小さな封筒を開けろ」と書かれていた。


指示に従い一つの数字を思い浮かべて小さな封筒を開けると、そこには思い浮かべたのと全く同じ数字と「おまえが思い浮かべる数字はわかっていた」のメッセージが…

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【書評】魚にもやさしくなりたい。『魚たちの愛すべき知的生活』

 

魚たちの愛すべき知的生活―何を感じ、何を考え、どう行動するか

魚たちの愛すべき知的生活―何を感じ、何を考え、どう行動するか

 

 

「食べられる?」「おいしそう」「かわいい」「珍しい」「気持ち悪い」くらいのレベルでしか見ていなかった魚たちが、多様で色とりどりの世界を持つ愛しい生き物に見えるようになった。

 

漁業のことを「資源略奪型漁業」という言い方をすることがある。養殖の魚などもいるが、漁業の多くは天然の資源である魚を捕ることが多い。

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2018年下半期に読んだ本のベスト

今年は、長男6歳と一緒にゲームをたくさん遊ぶようになった。

 

スーパーマリオオデッセイに始まり、ニンテンドーラボの段ボールを組み立て、マイクラで家を作ってくれとせがまれ、今はポケモンLet's goピカチュウを休日の度に一緒に遊んでいる。めちゃくちゃ楽しい。描いていた理想の親子関係がここにある。

 

遊びたいゲーム、読みたい本、見たい映画は無限にある。そんな中でも、読んだあと印象に残った本はすべてブログに書いてきた。途中で飽きたり挫折した本もたくさんあるが、読んで得たものを記録しておくのにブログという形式は最高だと思っている。

 

というわけで、下半期に読んで特に印象に残った本たちを紹介したい。

 

◆ユービック

 

ユービック (ハヤカワ文庫 SF 314)

ユービック (ハヤカワ文庫 SF 314)

 

 

今更Kindleで読んだ。
てか、kindleってこういう「今更読むもの」を読むのに最高だ。
場所をとらないし、思い立ったときに購入して読めるし、特にハヤカワSFは定期的にセールもしてくれるので安くなったタイミングで買っておいて、暇なときにタブレットでもスマホでも自由に読める。

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【書評】1/2の確率で、密猟アワビを食べているかもしれない衝撃『サカナとヤクザ』

 

サカナとヤクザ: 暴力団の巨大資金源「密漁ビジネス」を追う

サカナとヤクザ: 暴力団の巨大資金源「密漁ビジネス」を追う

 

 

暴力団の資金源といえば?


と聞かれると、僕は安直に「賭博」「風俗」「薬物」みたいな、闇の深いものばかり思い浮かべてしまう。


僕みたいな平凡で想像力に乏しいインドアサラリーマンにとっては、暴力団というものは全く関わりがなく、これからも関わることのない完全な「裏の世界」のものだと思っていた。

ところが、だ。

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【書評】個人的にツボすぎなので次回作以降も全部読みます『半分世界』

 

半分世界 (創元日本SF叢書)

半分世界 (創元日本SF叢書)

 

 

うわあああ凄い…!マジかこれ完全にツボすぎるだろもうずっと読んでたいよこの作品の感じ…もうこれ次回作以降も絶対全部読んでやるわ…!!

 

って思うくらい個人的にツボでした。最高。

 

と同時に、僕は面白いんだけど、ひとにお勧めするときに紹介方法に困る小説たちだなというのも感じた。

上田岳弘さんの作品のように不可思議すぎて紹介が難しい。

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【書評】これは…スタンド攻撃!?『ユービック』

 

ユービック (ハヤカワ文庫 SF 314)

ユービック (ハヤカワ文庫 SF 314)

 

 

個人的に、ミステリーには2種類のパターンがあると思っている。


ひとつは、初めに大きな謎がドーンと提示されて、それについて主人公たちが徐々に解いていくパターン。


J・P・ホーガン『星を継ぐもの』とかが好き。最初の謎のインパクトが大きいほうが引き込まれやすいし、それが解けていくカタルシスが読んでいて気持ちいい。


もう一つが、後半にどんでん返しが待っているパターン。

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