Under the roof

三児の父が育児、家事、読書のこととか書きます

【書評】衝撃のド変態学者『動物になって生きてみた』

 

動物になって生きてみた

動物になって生きてみた

  • 作者: チャールズフォスター,Charles Foster,西田美緒子
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2017/08/17
  • メディア: 単行本
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ヤバい本。内容ではなくて著者がヤバい。

 

『動物になって生きてみた』

一見すると、なんかニコ動の『歌ってみた』みたいで軽いノリを感じるが、中身のヘビーさはとんでもない。

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【今週のお題】秋の夜長に読みたい小説5選

今週のお題「読書の秋」

 

年中本を読んではいるけど、「読書の秋」にはよりたくさん本を読みたい、いや、むしろ夏よりも読書が捗っていつもよりたくさん本が読めるんじゃないか?なんて考えてこの秋はいつもの倍ぐらい本を読みまくってやろうといつも思うんだが、実際にはいつもと変わらないペースで読む、いつの間にか秋が過ぎ去って「たくさん読む予定だったのにな…」なんて虚しい感覚を味わったりする。

ただ、秋の読書に特別感があるのは間違いない。なので、ぜひ秋の夜長に時間を気にせず没頭して読んでほしい小説をいくつか紹介したいと思う。

◆その女アレックス

 

その女アレックス (文春文庫)

その女アレックス (文春文庫)

 

 

まあ、やっぱり秋の夜長はミステリーということで、コレ。

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【書評】幸せと危うさ『塔と重力』

 

塔と重力

塔と重力

 

 

『私の恋人』で衝撃を受け、そのあと読んだ『太陽・惑星』でさらなる衝撃を受けて一気にファンになった上田岳弘さんの最新作。


上田さんの作風といえば、超然的な視点を持つ神的な存在が物語の語り手となって、様々な人物が絡んだ複雑なストーリーを展開していく…感じが多いのだが、今作はそれを逆手に取ったような「神ポジション」なる視点を持った人物がいる。

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【書評】珠玉の面白ノンフィクション『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』

 

鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。

鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。

 

 

最高。なんだろうこれ。


生物関連の科学本で知見が広がり、かつ「鳥類学者」という珍しい職業の実態について綴られた社会学的ノンフィクションであり、それでいてふんだんにボケが散りばめられた珠玉の面白エッセイ集でもある。

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ハンドソープと猫

f:id:tojikoji:20170829235823j:image

こんなのを購入した。

 

ミューズ ノータッチ 泡ハンドソープ 本体+ 詰替250ml グレープフルーツの香り (約250回分)自動ディスペンサー

ミューズ ノータッチ 泡ハンドソープ 本体+ 詰替250ml グレープフルーツの香り (約250回分)自動ディスペンサー

 

 

手をかざせばハンドソープが一回分泡になって出てきてくれる。

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【書評】SF+ミステリー+疾走感『ここから先は何もない』

 

ここから先は何もない

ここから先は何もない

 

 エンタメ小説として一級品。


完成度云々じゃなくて、ミステリー色の高いSF設定の謎が、疾走感あるストーリーの展開とともに解けていく様は面白くて止まらなくなる。ボリュームはあるが、あっという間にストレスなく読み切れてしまう、まさにジェットコースター小説。

 

日本が打ち上げた小惑星探査機は、火星近郊の小惑星『ジェネシス』にてサンプル回収するはずが、なぜか別の小惑星『パンドラ』へ着陸。そして回収したサンプルから発見されたのは、なんと『エルヴィス』と名付けられた化石人骨だった。なぜ、探査機は別の小惑星へと目標を変え、しかもその小惑星には人骨が埋まっていたのか…

 

めちゃくちゃワクワクするプロットだけど、なんか既視感。

 

そう、あとがきでも作者自身がジェイムズ・P・ホーガンの『星を継ぐもの』について言及しており、この小説は作者が『星を継ぐもの』に不満を持っていて、それを自分なりに解消するために書きあげたとしている。

 

星を継ぐもの (創元SF文庫)

星を継ぐもの (創元SF文庫)

 

 

なるほど、確かにスケールの大きさと謎を回収していく様は『星を継ぐもの』に近い展開。だけど、登場人物たちの突っ走っていくスピード感は『星を継ぐもの』とは違う感覚で、これも既視感。

 

宇宙と最新テクノロジーとスペシャリスト集団の戦いって点では藤井太洋『オービタル・クラウド』の疾走感に近い。こちらも一級のエンタメ小説なのでおススメ。

 

 

tojikoji.hatenablog.com

 

『星を継ぐもの』は、ラストの余韻が素晴らしい、人間賛歌に近い素晴らしい結末と読後感を抱いたけれど、本書はそのラストとはあえて逆を行ったような結末となっている。作者の言う、『星を継ぐもの』への不満について、あとがきでははっきり記されてはいないのだが、おそらくはこの「人類のこれから」こそが作者の不満だったのかなと感じた。