Under the roof

三児の父が育児、家事、読書のこととか書きます

【書評】「面白さ」が濃縮された小説『ゲームの王国』

 ゲームの王国 上

ゲームの王国 上

ゲームの王国 下

ゲームの王国 下

凄い。こういう本があるから読書はやめられない。

 

ベストセラーでも、メディア絶賛にもなっていなかったと思う本書。だが、様々な有名レビューサイトで大絶賛されていたので、まあこれは間違いないんだろうなと思って期待に胸を膨らませて読んでみたらそりゃもう凄いのなんの。

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僕をSF沼に落とした5作

 

srdk.rakuten.jp


面白かった。

『古典は除く』『手に取りやすいように文庫化されているもの』
この2つの縛りだけでとてもありがたい。


『戦闘妖精・雪風』と『火星の人』は既読で、当たり前だがどちらもめちゃくちゃ面白かった。雪風のほうは続編の『グッドラック』と『アンブロークンアロー』も当然面白い。続編になるほどSF色も増していくので、雪風を入門として続編へと読み進めていくといつの間にかSF沼にどっぷり浸かることができる。

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【書評】『その家事、いらない。』共働き、子ども3人の我が家は、もちろん家事を削ってきました

 

その家事、いらない。

その家事、いらない。

 

 

「その通り!」と感じることばかりだった。
 
我が家は夫婦共働きで、子ども3人の5人家族。先日6歳になったばかりの長男(来年ようやく小学生)、3歳の長女と1歳の次男。全員未就学児で、長男はまだある程度「自分のことを自分で」できるようになってきたが、下2人はパパママがいないとほぼ何もできない。食事だってかなりの手助けが必要だ。 続きを読む

【書評】ノンフィクションの法医学ミステリー『死体は嘘をつかない』

 

死体は嘘をつかない (全米トップ検死医が語る死と真実)

死体は嘘をつかない (全米トップ検死医が語る死と真実)

  • 作者: ヴィンセント・ディ・マイオ,ロン・フランセル,満園真木
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2018/01/31
  • メディア: 単行本
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暗い感じの表紙だが、中身はとても面白いノンフィクションだった。

 

よくドラマやドキュメンタリーで出てくる「法医学者」と呼ばれる職業。資格としては「医者」で、死体の解剖や化学的な分析などを通じて死因を解明し、それが司法の場において動かぬ証拠に結びつく。

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【書評】霊長類研究と超エンタメSF『Ank: a mirroring ape』

 

Ank: a mirroring ape

Ank: a mirroring ape

 

 

2026年、京都。テロや略奪行為ではなく、「人がそれぞれお互いに殺し合う」という謎の暴動が起こる。「Kyoto Riot」と名付けられたその暴動は、SNSを通じて全世界に拡散され、突如お互いに殺し合うその衝撃的な姿に「ウイルス感染によるパンデミックだ!」とか、「ついに人類はゾンビの脅威に晒された!」といった様々なパニックを引き起こした。

 

しかし、実際は、ウイルスでもゾンビでもなく、たった1匹のチンパンジーが原因だった…

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【書評】関野吉晴ファン必見『カレーライスを一から作る』

 

カレーライスを一から作る: 関野吉晴ゼミ (ポプラ社ノンフィクション―生きかた)

カレーライスを一から作る: 関野吉晴ゼミ (ポプラ社ノンフィクション―生きかた)

 

 

タイトル通り、武蔵野美術大学教授の関野吉晴氏が、自らのゼミで学生たちと一緒に、1年間かけて「カレーライスを一から作る」軌跡がまとめられた本だ。

 

まとめサイトっぽく言えば、「TOKIOがカレーを作ったら」かな。米も、野菜も、肉も、カレールーではなくスパイスも、そして、食器も自分たちで作る。TOKIOなら簡単にやってのけそうではある。

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【書評】大真面目な、命を守るための研究『兵士を救え!マル珍軍事研究』

 

兵士を救え! マル珍軍事研究

兵士を救え! マル珍軍事研究

 

 

タイトルに「珍」ってあるけど、中身はいたって真面目。「珍」は面白いとかくだらないって意味ではなくて、「めずらしい」に読み替えていいかも。

 

例えば、本書のイントロダクションで紹介される、「チキン砲」

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