今週のお題「読書の夏」
普通はあんまり季節と読んでる本をわざわざ合わせたりはしないと思うけど…。まあ、そんな中、今まで読んだ本で「夏に読むなら」って括りで5冊選んでみた。
- 作者: ウィリアム・ゴールディング,William Golding,平井正穂
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1975/03/30
- メディア: 文庫
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既読の人が多いと思うけど、やっぱり面白い。
無人島サバイバルもので、子供らしい単純さが生み出す残虐性が見どころ。大人が読んでも本能をくすぐられると思う。
息子が小学校高学年くらいになったら、一緒に読みたいなと思う。これとかヘッセの「車輪の下」とかね。子供にそういう体験を与えることも大事だと思うし、大人も再読してその後の子育てについて再考する機会にもなるかもしれないし。
個人的には学生の頃の必読書だと思う。でもまあ、みんながみんなこういう本の影響を受けたらあんまりよくないか。
◆アルベール・カミュ「異邦人」
これも既読の人多いとは思うけど、あえて。
あまりにも有名な「太陽が眩しかったから」の元ネタ。今年みたいにクラクラするような暑い夏に読むといいと思う。冬に読むよりは断然面白いだろうし。
既読の人も再読オススメ。読むたび「太陽が眩しかったから」を言いたくなる。
長い。とにかく長い。んで蛇足がすごい。正直何度も読む気が失せる。でも、読みながら悟る。興味があんまり湧かないところはザーッと斜め読みする程度でどんどん進んじゃえばいいんじゃね?と。そんな読み方を始めるとどんどん進む。このノウハウはほかの小説でも生きる。
きちんと読んでいる人とかには申し訳ないが、難解な古典なんで僕みたいな「教養として手に取ったけど、そこまで深く味わわなくてもいいかな」なんて考えている不真面目君にはそんな読み方でいいと思う。面白いところは面白いし。セテムブリーニは今でも僕にとっては「魅力的だけどたまに鬱陶しい」そんな理想的な先生だ。
長い物語なんで、話が進むうちに季節も巡り巡ってスキーするシーンなんかもあるんだが、スタートが夏なんで今から読み始めて現実の季節を追うようにゆっくり読むのもありかも。トイレとかに置いといて、トイレ中だけ読む、みたいにして。
◆貴志祐介「クリムゾンの迷宮」
- 作者: 貴志祐介
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 1999/04/09
- メディア: 文庫
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角川ホラー文庫の小説。まあ、上に挙げた古典3冊に比べると断然読みやすいしエンタメ性も高い。なんで一緒に挙げるのがって話になるかもしれないけど気にしない。
内容的には、ゲーム的な展開とサバイバルホラーが絶妙に絡み合った蒸し暑くて息苦しいようなストーリー。
熱帯夜のホラー読書にぴったり。
個人的に気に入ってるのが、食事の描写。「食事の描写が優れている小説は名作」という勝手な基準があるんだが、この小説はまさにそれ。
食事シーンなんて本筋にはあまり関係ない蛇足部分だったりするんだが、そこを面白く読めるのは名作だという裏返しだと考えてる。
世界観に見事までにマッチした食事シーンが、ストーリーに引きずり込まれるためのとても良いアクセントになっている。
2ちゃんまとめの「面白い小説教えて」系の記事では結構あげられてたりするので、そこそこ有名だとは思う。自分もそれで知ったし。これにはまったら貴志祐介を読み漁るのもいいと思う。ネットで評判いい小説はたいがい面白い。
短編集。表紙が涼しい。
プールだから夏、ってのも短絡的だし、実際は5編入っているのでプールの話は最初の1編で終わりだけど、まあ全部面白いからいいでしょ。
ふらふらと散歩に出かけて、涼しいとこでコーヒー飲みながらなんか読むものほしいな、でも小難しいのではなくなんも考えずに楽しく読みたいな、って時にベストな選択だと思う。
シリーズで全3冊出てるので、お好きなやつを選んでもらえればいいかな。全部面白いから退屈しない。
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以上かな。どれも文庫で手に入りやすいと思う。
読書は好きだけど、読書量はそんなに多い方じゃないので、「マイナーだけどこれ面白いよ!」なんてレパートリーはないんだけど、少なくとも上に挙げたやつは読んでおいて損はないと思う。あ、「魔の山」はそうでもないかも…