Under the roof

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【書評】成功のための裏口探しの旅『サードドア:精神的資産のふやし方』

 

サードドア: 精神的資産のふやし方

サードドア: 精神的資産のふやし方

 

18歳の医学部在学中の大学生が、ビル・ゲイツなどの超著名人たちに「成功の秘訣とは何か」をインタビューするために奔走する。

サラリーマン15年、既婚、3人の子育て中、持ち家ありで絶賛住宅ローン返済中の自分からすると、もう眩しくてぶっちゃけ小説の世界のようだった。

ただの大学生がビル・ゲイツにインタビューしようと思ってもそもそもうまくいくわけないので、著者はインタビューに漕ぎ着けるためにあらゆる「裏ワザ」を試す。つまりそれがファーストドア(正攻法)ではなくサードドア(裏口)を開けろというわけだ。

ぶっちゃけ医学生として真剣に学問に打ち込めば、医者になってその後の人生も何の心配も無かっただろうが、著者はその道を疑問無くすすもことに行き詰まりを感じて本書のような道を進み始めた。冒頭で親を説得して医学部を外れる様子や、クイズ番組で賞金稼ぎをする様子なんかを見ると、若い頃の自分なら「無茶苦茶するな…よくうまくいったもんだよ…」的な感想だったろうけど、今の自分からすると「我が子が医学部から外れて自分の計画実行のためにクイズ番組で賞金稼ぎ!?馬鹿なことやってんじゃねえ!!」って親目線の感想しか浮かんでこない。読む人によって内容の受け取り方はかなり変わるだろう。そもそもスタート位置にも恵まれていると思うし。底辺からの成り上がりとはちょっと違う。
でもまあ、正直失敗ばかりの書写の様子を見ていると「よくコイツ最初は医学部にいたよな…」って感じてしまう。しかし、結果的に様々な失敗を基礎とした経験により成功のための足がかりを築いて行くので、やっぱりそういう若さからのがむしゃらさってのは必要なんだなと。今の僕には到底無理だけど。

「何者かになりたい、今の環境に閉塞感がある」っていうのは若い頃特有の感情だと思う。本書の内容が日本で役に立つ可能性は低いだろうけど、サードドアを駆使していろいろ積み重ねていこうっていう著者の姿勢はとてもいい刺激になるだろう

ただ、読む人によって受け取り方の善し悪しはかなり変わる本だと思うけど。