Under the roof

三児の父が育児、家事、読書のこととか書きます

2019年上半期に読んだ本のベスト

4月から長男が小学生になった。学校からの課題で、長男は毎晩国語の教科書を音読している。つっかえつっかえだが、ひとりで本を読めるようになったというのは感慨深い。
まだまだ親子間で同じ本を貸し借りして読むという僕の長年の夢を叶えるのは先になりそうだけど、そんなことを考えているとあっという間に子どもって成長しちゃうんだろうなとも思う。もっとたくさんの本を読みたいけど、時の流れはとても速い。

というわけで、今年の上半期に読んで面白かった本を5冊ほど紹介したい。

◆数字を一つ思い浮かべろ

 

数字を一つ思い浮かべろ (文春文庫)

数字を一つ思い浮かべろ (文春文庫)

 

 

ミステリーって、個人的には最後まで読んだときのスピード感が「面白かったかどうか」の基準に大きく影響する。中身が軽すぎるのもよくないけど、重すぎて読みにくいのもキツい。登場人物多すぎず、ただとにかく謎解きや話の先が気になるような一気読み要素が揃うと、読後の面白かった感が強く残る。

で、本書はそんな鉄板ミステリーのひとつ。翻訳物で面白いミステリーは?って聞かれたら、『ダ・ヴィンチ・コード』や『その女アレックス』と同列に紹介したいレベルで面白かった。

 

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◆生まれ変わり

 

生まれ変わり (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

生まれ変わり (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

 

 

説明不要のケン・リュウの短編集。以下ストリートファイター禁止。てかケン・リュウって名前だけで「昇竜拳」とか言ってる暇あったらまず読んでほしい。僕の中では今やストⅡのほうが「じゃないほうのケン・リュウ」だ。

前置きはこのくらいで、とにかく今までの泣ける作品から一転、エンタメもブラックユーモアもハードSFも全部入り。前作も前々作も面白いので、SFっぽいものや泣ける系がいやじゃなければどんな人にもおすすめできる。

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◆辺境メシ ヤバそうだから食べてみた

 

辺境メシ ヤバそうだから食べてみた

辺境メシ ヤバそうだから食べてみた

 

 

エッセイ集として面白くて、未知の世界に触れられて、知見も広がる。読書ってこうじゃなきゃ、こういう面白い本があるから読書していてよかったと思える類いの本。

まず第1章「アフリカ」で最初のエピソードが「ゴリラを食べた」
いやいやいや、なんかもうこれだけでこの本優勝でしょう。まずサルはポピュラーな食べ物とか言っちゃってるし、なんかもう冒頭から手加減なし。
ただ、人によっては結構閲覧注意なメニューもあるので、ある程度覚悟してから読んでください。

 

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◆超孤独死社会 特種清掃の現場をたどる

 

超孤独死社会 特殊清掃の現場をたどる

超孤独死社会 特殊清掃の現場をたどる

 

 

本書も正直、閲覧注意な本である。

「特殊清掃」という、「ゴミや孤独死した人の死体で汚染された部屋の原状回復」をする仕事現場を通じて、今や社会問題となっている孤独死について焦点を当てた一冊。特殊清掃現場の描写はかなりキツくて、その過酷さがよくわかる。

孤独死は他人事だと楽観できない時代にもなっている。自分だけでなく、親や兄弟がこういう孤独死に陥るリスクだってある。見て見ぬふりをするのはたやすいが、社会問題として考えなければならない状況が差し迫っているんではないかと考えさせられるような内容だった。

 

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◆脚・ひれ・翼はなぜ進化したのか: 生き物の「動き」と「形」の40億年

 

脚・ひれ・翼はなぜ進化したのか: 生き物の「動き」と「形」の40億年

脚・ひれ・翼はなぜ進化したのか: 生き物の「動き」と「形」の40億年

 

 

生物は常に進化を繰り返してきた。その進化はとてつもなく多様で、体の形だけでなく内部についても進化の枝は多方面に伸びている。

しかし、そんな多様な生物たちの進化において、たったひとつだけ絶対に揺るがせないテーマがある。それは「移動運動」だ。
本書は生物学だけでなく物理学を用いて、とにかく生き物をありとあらゆる角度から「この形はこういう理由でできた」と解説してくれる。脚・ひれ・翼だけでなく、脳でさえも移動運動のためにどのように進化してきたか。知的興奮しっぱなしの一冊。

 

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◆◆◆◆

 

生物学系の本が好きなので、そういうのばっかり読んでしまうんだが、たまに挟む『辺境メシ』とか『超孤独死社会』みたいな本が大当たりだとより強く印象に残る。
とりあえず今回紹介した5冊は、どんな人にも読んでほしいと思える面白さだった。

 

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