Under the roof

三児の父が育児、家事、読書のこととか書きます

【書評】戦略の面白さの凝縮形『3000年の叡智を学べる 戦略図鑑』

 

3000年の叡智を学べる 戦略図鑑

3000年の叡智を学べる 戦略図鑑

  • 作者:鈴木博毅
  • 発売日: 2019/12/18
  • メディア: Kindle版
 

 

世界的に有名な戦略について、イラスト付きでわかりやすく解説してくれる本書。

本書において著者は「戦略とは追いかける指標である」と提議している。この「追いかける」という表現が大切で、仮に指標を定めた後でも「追いかけている途中」ならその指標は柔軟に変えるべきだとしている。

====
戦略はあくまでも最終的な成果に達するための指標であって、むしろ達成困難な状況となったときに「追いかける先」を変更する、つまり戦略の変更を適宜行うことが大切なのだ。その場しのぎになったり、ひとつの戦略に固執してしまうのは良い成果を生むことにならない。

じゃあどういう戦略をとるのがいいのか?となったときに、本書に掲載された様々な戦略が役に立つだろう。「孫子の兵法」から「ブルー・オーシャン戦略」まで、つまり古代戦争から現代ビジネスまで幅広く網羅してくれている。特に「ブルー・オーシャン戦略」は対となる「レッド・オーシャン」まで含めて、なんとなく言葉は知っているけど内容は詳しく説明できないな…という僕のような意識低い社会人にとってはとてもありがたい解説書となってくれた。
ありがたいのはとにかく広く浅くなので、概要をとりあえず本書で掴んでおいて、そのうえで専門書に繋ぐというハブ的な役割を果たしてくれるところだ。参考文献のリストも掲載されているので、何を読めばいいかわからないということにもならない。

ビジネスだけでなく、人生の行き詰まりにも役立つと言っても過言でないだろう。なんとなくパラパラ読んでいるだけでも充分面白い。とりあえず本棚に置いておきたい一冊。