Under the roof

三児の父が育児、家事、読書のこととか書きます

読書

【書評】珠玉の面白ノンフィクション『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』

鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。 作者: 川上和人, 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2017/04/18 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (6件) を見る 最高。なんだろうこれ。 生物関連の科学本で知見が広がり、かつ「鳥類学者…

【書評】SF+ミステリー+疾走感『ここから先は何もない』

ここから先は何もない 作者: 山田正紀 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2017/06/20 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (1件) を見る エンタメ小説として一級品。 完成度云々じゃなくて、ミステリー色の高いSF設定の謎が、疾…

【書評】夢は叶う。『バッタを倒しにアフリカへ』

バッタを倒しにアフリカへ (光文社新書) 作者: 前野ウルド浩太郎 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2017/05/17 メディア: 新書 この商品を含むブログ (14件) を見る バッタを『倒しに』アフリカへ。『倒しに』という強いワードと、鋭い眼光にふざけた全身緑…

2017年上半期に読んだ本のベスト5冊

2017年ももう半分終わる。次男も4月から保育園に通い始め、毎朝、そして毎夜、食事だ着替えだ登園だ風呂だと無限に続く育児ルーティーンであっという間に時が流れていく。自分の時間は仕事をサボりでもしないと取れない。 そんな日々でも、合間にちょこちょ…

【書評】僕らの心も操られてる?『心を操る寄生生物:感情から文化・社会まで』

心を操る寄生生物 : 感情から文化・社会まで 作者: キャスリン・マコーリフ,西田美緒子 出版社/メーカー: インターシフト 発売日: 2017/04/15 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 先日読んだ『ゾンビ・パラサイト』が面白かったので、それ以来気…

【書評】不安で仕方なくなる短編集『ウインドアイ』

ウインドアイ (新潮クレスト・ブックス) 作者: ブライアンエヴンソン,Brian Evenson,柴田元幸 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2016/11/30 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (6件) を見る 気持ち悪さばかり残る短編集。ただし、グロとかではない。 …

【書評】取り残されたものたちの哀歌『ヒルビリー・エレジー』

ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち 作者: J.D.ヴァンス,関根光宏,山田文 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2017/03/15 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (1件) を見る とても面白かった。Twitterのタイム…

【書評】文明を築いた3つの革命『サピエンス全史』

サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福 作者: ユヴァル・ノア・ハラリ,柴田裕之 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2016/09/08 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (31件) を見る サピエンス全史(下)文明の構造と人類の幸福 作者: ユヴァル・…

【書評】孤独と失望が心地いい『ビニール傘』

ビニール傘 作者: 岸政彦 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2017/01/31 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (4件) を見る 短編2本。どちらも薄暗い、まとわりつくような無力感が漂う。 表題の短編『ビニール傘』は、大阪を舞台に明確な括弧書きや誰のセ…

【書評】メメント・モリ『なぜ保守化し、感情的な選択をしてしまうのか:人間の心に巣くう虫』

なぜ保守化し、感情的な選択をしてしまうのか : 人間の心の芯に巣くう虫 作者: シェルドン・ソロモン,ジェフ・グリーンバーグ,トム・ピジンスキー,大田直子 出版社/メーカー: インターシフト 発売日: 2017/02/15 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1…

【書評】我々の自然観を作り上げた人物『フンボルトの冒険 -自然という〈生命の網〉の発明』

フンボルトの冒険 自然という〈生命の網〉の発明 作者: アンドレア・ウルフ,鍛原多惠子 出版社/メーカー: NHK出版 発売日: 2017/01/26 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (3件) を見る 凄かった。読み終えるのに3週間もかかってしまったが、あまりの面…

【書評】人間の高潔さと残酷さ『いつかの夏 名古屋闇サイト殺人事件』

いつかの夏 名古屋闇サイト殺人事件 作者: 大崎善生 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2016/11/30 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (3件) を見る 嗚咽をこらえられず、何度も中断せざるを得なかったが、ようやく読み終えた。 本書は、「名古屋闇サ…

【書評】自然は寄生生物で溢れている『ゾンビ・パラサイト』

ゾンビ・パラサイト――ホストを操る寄生生物たち (岩波科学ライブラリー) 作者: 小澤祥司 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2016/12/07 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (3件) を見る 「冬虫夏草」ってご存じだろうか。 冬は虫で、…

【書評】目に見えない、微生物の力を見せる本『土と内臓』

土と内臓 (微生物がつくる世界) 作者: デイビッド・モントゴメリー,アン・ビクレー,片岡夏実 出版社/メーカー: 築地書館 発売日: 2016/11/12 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る みなさんは、内臓の健康を保つために気をつけていることっ…

【書評】面白くて無情な図鑑『寿命図鑑』

寿命図鑑 生き物から宇宙まで万物の寿命をあつめた図鑑 作者: やまぐちかおり 出版社/メーカー: いろは出版 発売日: 2016/07/24 メディア: 大型本 この商品を含むブログを見る 本書は、様々なものの『寿命』をイラスト付きで面白く紹介してくれる図鑑だ。『…

【書評】知ってるようで知らない世界『大きな鳥にさらわれないよう』

大きな鳥にさらわれないよう 作者: 川上弘美 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2016/04/22 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (9件) を見る 面白かった。『グールド魚類画帳』や『老ヴォールの惑星』を読んだ時のような、面白い小説の世界に飛び込んで…

【書評】ニュースを作る、闇の技術『ヌメロ・ゼロ』

ヌメロ・ゼロ 作者: ウンベルト・エーコ,中山エツコ 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2016/09/21 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (7件) を見る 『薔薇の名前』とかで有名なウンベルト・エーコの遺作。 1992年のイタリア/ミラノで、とある出版…

【書評】生きることを問う短編集『老ヴォールの惑星』

老ヴォールの惑星 作者: 小川一水 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2013/11/15 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (4件) を見る いつか読もうと思ってたやつ。面白かった。こういう出会いがあるから、やっぱり読書って最高だなと思える。

【書評】勝ち組たちの醜悪な争い『ハイ・ライズ』

ハイ・ライズ (創元SF文庫) 作者: J・G・バラード,村上博基 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 2016/07/11 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (12件) を見る ロンドン中心部にそびえる40階建てのタワーマンション。戸数は1,000戸。マンション内にはス…

【書評】上田岳弘『異郷の友人』

異郷の友人 作者: 上田岳弘 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2016/01/29 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (5件) を見る デビュー作『太陽・惑星』が衝撃的すぎた上田岳弘さんの3作目。今回もやはり、上田節的な「神の視点」で物語は進む。

2016下半期に読んだ本のベスト

以前上半期のベストを紹介したので、今回は下半期のみで面白かった本を選出。 ちなみに上半期のベストはこちら。 tojikoji.hatenablog.com 上半期に比べると、下半期は9月に次男が生まれて、10月にフルマラソンを走ってとなんだかんだで読書時間が減ってしま…

【書評】アンナ・カヴァン『氷』

氷 (ちくま文庫) 作者: アンナカヴァン,Anna Kavan,山田和子 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2015/03/10 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (15件) を見る 寒冷化により世界が緩やかに破滅へと向かう中、異常な執念でひとりの少女を地の果てまで追い…

【お題】個人的なネット記事大賞2016『人生が狂っちゃう本』

今週のお題「私のブログ・ネット大賞2016」 京大院生の書店スタッフが「正直、これ読んだら人生狂っちゃうよね」と思う本ベスト20を選んでみた。 ≪リーディング・ハイ≫ - 天狼院書店 今年読んでよかった記事はこれ。何度も読み返した。 冒頭の「本て読むのめ…

【書評】『あなたのための物語』なぜ、死を受け入れなければならないんだろう?

あなたのための物語 作者: 長谷敏司 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2013/11/15 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (3件) を見る 【書評】『死すべき定めーー死にゆく人に何ができるか』 - Under the roofを読んだ後、死について書かれた小説をい…

【書評】やさしいごはん『一汁一菜でよいという提案』

一汁一菜でよいという提案 作者: 土井善晴 出版社/メーカー: グラフィック社 発売日: 2016/10/07 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (1件) を見る とても優しさが溢れた本。タイトルからは想像できなかったが、本書は日々の忙しさに浮…

【書評】この残酷さ、どう受け取る?『言ってはいけない』

言ってはいけない 残酷すぎる真実 (新潮新書) 作者: 橘玲 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2016/04/15 メディア: 新書 この商品を含むブログ (16件) を見る ようやく読んだ。 発売当時、「ものごとの本質をついている」とか「普段は隠されている真実につい…

【書評】『イワン・イリイチの死』

イワン・イリイチの死/クロイツェル・ソナタ (光文社古典新訳文庫) 作者: トルストイ,望月哲男 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2006/10/12 メディア: 文庫 購入: 7人 クリック: 44回 この商品を含むブログ (34件) を見る 再読。きっかけは、先日読んだ『…

【書評】ダメな習慣も悪くないかもしれない『悪癖の科学』

悪癖の科学--その隠れた効用をめぐる実験 作者: リチャード・スティーヴンズ,藤井留美 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店 発売日: 2016/08/29 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る 僕は酒が好きで、次の日が早いとわかっていてもついつい深酒…

【書評】『死すべき定めーー死にゆく人に何ができるか』

死すべき定め――死にゆく人に何ができるか 作者: アトゥール・ガワンデ,原井宏明 出版社/メーカー: みすず書房 発売日: 2016/06/25 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る よく忘れることなんだが、人間は、いずれ必ず死ぬ。 それは遅いか早い…

【書評】『頭がいい子の家のリビングには必ず「辞書」「地図」「図鑑」がある』

頭がいい子の家のリビングには必ず「辞書」「地図」「図鑑」がある 作者: 小川大介 出版社/メーカー: すばる舎 発売日: 2016/03/17 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 4歳の長男を見ていると、教育って難しいとつくづく感じる。 言葉での…